Fredriksons
省スペースの包装産業向けドライブ技術
食品や飲料の製造現場では、多くの場合、スペースが限られています。従って、コンベヤシステムを設置する場合、大抵はコンパクトな設計が求められます。スウェーデンの機械メーカーFredriksons社は、マルチプロトコルイーサネットインターフェースを組み込んだNORD DRIVESYSTEMSの信頼性の高いスリムなドライブ技術を採用することで、包装産業向けの最新システムを効率的に設計し、ドライブのバリエ-ション数を減らしています。
お客様の概況
スウェーデンのヴァドステーナにあるFredriksons社の新しいショールームでは、スーパーマーケットでおなじみのパッケージがプラスチック製のチェーンコンベヤの上を一定の速度で移動しています。このコンベヤシステムは、時にはカーブを描きながら、時には長い距離を、何段にもわたって延びています。すべてが時計仕掛けのように動き、かすかにガタガタ音だけが聞こえてきます。「この種の水平コンベヤベルトは、例えば乳製品をプラスチック包装に注入した後の生産工程で使用されます」とFredriksons Verkstads社のコンベヤソリューション開発マネージャーのTommy Bäckは説明します。同社の最新式プラスチック製チェーンコンベヤは、とりわけ世界最大の包装メーカーなどで採用されているものです。
このモデルの場合のように、産業用コンベヤシステムの設置スペースは限られているので、システムメーカーは、エレメントの配置を賢く選択し、取り付けられているすべてのコンポーネントをできる限りスリムに設計し、またそれらが効率的に機能するようにしなければなりません。「2年ほど前、当社のショールームを作るに当たって、私たちはすべての自動化コンセプトを見直し、最新化することを決定しました。どのドライブ技術が当社にとって最適かを慎重に検討した結果、私たちはNORD DRIVESYSTEMSの製品を選択しました。その理由は、当社のプラスチック製チェーンコンベヤにさまざまなメリットが提供されるからです」とTommy Bäckは言います。
プロジェクトの要件
お客様の希望に個別に対応したドライブシステム
NORDには、100業種を超える業界での豊富なノウハウと長年の経験があります。グローバルに事業を展開するシステムサプライヤーとして、一次包装から二次包装、そして最終ライン包装に至るまで、包装工程のあらゆる段階のために、経済的かつ持続可能な、そしてカスタマイズされたドライブソリューションを製品モジュールから提供しています。
システムメーカーであるFredriksons社がNORDのドライブ技術を採用した主な理由の1つは、コンパクトな設計の他に、マルチプロトコルイーサネットインターフェースがドライブに組み込まれていることでした。このマルチプロトコルイーサネットインターフェースは、さまざまなメーカーのコントローラへの接続をサポートし、生産現場におけるエンドユーザーの必要に応じて、異なるプロトコルを介する通信を可能にします。Fredriksons社にとってのさらなるメリットは、ドライブのさまざまな回転数レベルとバリエーション数の削減です。このことは分散型ドライブでも制御盤設置型ドライブでも可能です。NORDのドライブソリューションが-30 ℃までの低温にも適していることも、食品産業での使用にとって重要な要素です。
最新の生産に対応したハイテクインバータ
Fredriksons社のプラスチック製チェーンコンベヤには、NORDBLOC1ベベルギヤユニットを搭載したNORDのIE3非同期モータが、 NORDAC <i>ON</i> 周波数インバータと組み合わせて使用されています。NORDAC ON/ON+シリーズの分散型周波数インバータは、最新の生産環境のための経済的ソリューションを提供します。その特徴は、コンパクトな設計、完全なプラグイン設計、極めて高い信頼性です。NORDAC ONは、非同期モーター用に開発され、NORDAC ON+は同期モーター IE5+用に開発されました。周波数インバータは、0.37 kW~3.7 kWの出力範囲をカバーしています。プラグアンドプレイ機能により、機械とシステムにおいて配線やメンテナンスの労力を大幅に縮小することができます。NORDAC ONには、今後、安全機能領域の新機能が追加されます。つまり、STOおよびSS1の他に、将来的には、SLS、SMS、SSMも装備される予定です。その他の特徴として、PLC機能および駆動関連機能のためのオンボードPLCならびに統合イーサネットインターフェースがあります。プロトコル PROFINET、EtherNet/IP、EtherCATは、パラメータによって簡単に設定可能です。もう1つのメリットは、デジタル入出力を介してローカルセンサーシステムとアクチュエータを直接ドライブに接続できることです。これにより、バス用の追加のノードが省略されます。
Fredriksons社は、独立したスタンドアロンソリューションが必要な場合、NORDの周波数インバータ NORDAC <i>PRO</i> SK 500P を使用します。本のサイズのコントロールキャビネットインバータは、実質的にあらゆる駆動タスクに適しています。そのバリエーションは、0.25~37 kWの出力範囲をカバーしており、さらに高い高負荷容量を備えています。近いうちに、このインバータは、出力範囲が160 kWまで拡張される予定です。「NORD製品の多様なメリットによって、当社は、システム内の駆動バリエーション数を大幅に縮小することができ、在庫数もかなり少なくなりました」とTommy Bäckは話します。「基本的に、駆動バリエーションの数が多くなるほど、OEMとしてもエンドユーザーとしてもコストは高くなります」と言います。より少ない材料使用と、最適に相互調整された駆動コンポーネントにより、 TCO だけではなく、製造会社のCO<sub>2</sub>フットプリントも削減することができます。
アプリケーションソリューション
充実したサービス体制
システム運営者は、運転中、取り付けられているドライブ技術を信頼できなければなりません。従って、ドライブ技術を選択する際には、設置と運転開始が複雑でないことに加え、サービスケースにおける技術の交換が簡単であることも重要になります。「故障が発生した場合でも、シンプルなプラグイン技術によってドライブを簡単に交換できることで、停止時間が大幅に短縮されます」とBäckは言います。さらに、これらのドライブは非常に堅牢であり、 コンディションモニタリング によって監視することができます。
これによって、ユーザーは、例えば温度、運転挙動またはオイルレベルなど、ドライブのあらゆる関連データを常に確認することができるのです。摩耗の増加兆候が検知されれば、エンドユーザーは、故障が生じる前に、予防的措置を講じることが可能です。NORDドライブの簡単なプラグアンドプレイ技術を組み合わせた予知保全オプションにより、生産における予測可能性と作動安全性が顕著に向上します。NORDAC ACCESS BTにより、さらに、周波数インバータ用のBluetoothアダプターが提供され、 NORDCON APP を介して、モバイル端末機器へのアクセスを簡単に行うことができます。これにより、NORDは、エンドユーザーに最高の柔軟性と最大の操作快適性を提供するため、モバイル運転開始・サービスソリューションをプログラムに加えています。
最大の成功を目指すパートナーシップ
「サプライヤーを選ぶ場合、多くの技術的詳細の他に、協力関係がうまく機能するかという点も非常に重要です。個々の希望や変更を実現する場合、NORDの担当者は、常に私たちの納得のいくようにしてくれます。同時に、当社システムのライフサイクルに最適に適合する最新式ドライブソリューションからさまざまな恩恵を受けています。これからもNORDとのビジネス関係が長く続き、成功することを楽しみにしています」とBäckは最後に締めくくりました。

